相談事例68(吹田市在住の方からのご相談)兄が亡くなり、私(弟)と妹が相続人となった。妹は兄が亡くなった後に破産手続開始決定を受け、現在破産管財人が選任されている。遺産分割協議は誰と行えばいいか?

相談事例68(吹田市在住の方からのご相談)兄が亡くなり、私(弟)と妹が相続人となった。妹は兄が亡くなった後に破産手続開始決定を受け、現在破産管財人が選任されている。遺産分割協議は誰と行えばいいか?

相続開始後に相続人の1人が破産手続開始決定を受け、当該相続人に破産管財人が選任された場合、遺産分割協議、調停又は審判の当事者が誰になるかについては、2つの見解があります。
 
①1つの見解は、遺産分割協議が相続人の一身専属的権利行使としての側面を有していることから、破産者(相続人本人)が当事者となり、破産管財人は利害関係人として遺産分割協議に参加すべきという見解です。

②もう1つの見解は、破産手続開始決定後は、破産管財人が破産者である相続人の財産(相続財産を含む)について管理処分権を取得するので、破産管財人が遺産分割の当事者になるという見解です。

 ②が実務上の見解と考えられています。
本件の場合、兄が亡くなって相続が開始した後に相続人である妹が破産手続開始決定を受けていますので、あなた(弟)は妹の破産管財人と遺産分割協議を行う必要があります。
 

投稿者プロフィール

大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら