相談事例13:投資信託の解約金支払請求権は遺産分割の対象となるか?

相談事例13  投資信託の解約金支払請求権は遺産分割の対象となるか?(吹田市在住の方)

  投資信託とは、多数の投資家から集めた資金を、投資の専門家が主に有価証券に投資し、その結果得た利益を投資家に分配することを内容とする金融商品です。  

投資信託は、解約が可能なものであれば、投資家が解約を請求することにより換価されます。また、投資信託の種類によっては、信託期間の途中で解約できないものもありますが、その場合は、受益証券の買取りによって換価されることになります。

投資信託を解約した場合の解約金支払請求権が遺産分割の対象となるかどうかについては、従来、肯定説・否定説の両説があり、当該投資信託の商品設計によって、遺産分割の対象となるかどうかが決まるという見解が有力でした。

しかし、平成26年2月25日の最高裁判決により、商品設計にかかわらず、投資信託の解約金支払請求権は、相続により当然には分割されず、遺産分割の対象となると判断されました。

したがって、投資信託の解約金支払請求権は遺産分割の対象となります。

なお、上記最高裁判決によれば、投資信託の解約金支払請求権は相続により当然に分割されるものではありませんので、遺産分割協議が成立未了の場合、各共同相続人は、投資信託の解約金のうち自己の法定相続分に応じた分についても請求することはできないと考えられます。

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
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大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら