相談事例31:遺産分割協議はいつまでに行わなければならないか?

相談事例31:遺産分割協議はいつまでに行わなければならないか?(吹田市在住の方)

 法律上、「共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでもその協議で遺産分割することができる」とされていますので(民法907条1項)、遺産分割協議に期間制限はありません。ただし、相続税には10か月という申告期限がありますので、注意する必要があります。
 
 また、遺産分割協議を行わないまま相続人の1人が死亡すれば、当該相続人の遺産を相続する相続人と遺産分割協議を行わなければならなくなりますので、相続人関係が複雑になる上、遺産分割に非協力的な者が新たに相続人となれば、円満に遺産分割協議を行うこと自体が難しくなる可能性があります。
 
 特に遺産の中に不動産がある場合は、遺産総額が多額になることが多いので、それだけ後日紛争になる可能性も高くなります。

 また、遺産分割協議をしない限り、当該不動産については共同相続人全員の共有状態になりますので、当該不動産の売却や管理費用の清算方法を巡って後日紛争になる可能性もあります。
 

 したがって、遺産分割協議に期間制限はありませんが、後日紛争になるのを避けるため、できるだけ早めに遺産分割協議を行ったうえで、遺産分割協議書を作成しておいた方がいいでしょう。
 

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら