相談事例57(箕面市の方からのご相談)父の遺産の中に抵当権の設定された不動産がある。この抵当権は父名義の住宅ローンを担保するために設定されたものであるが、今後遺産分割調停や遺産分割審判になった場合、当該不動産については、住宅ローンの残額相当額を減額して評価されるか?

相談事例57 (箕面市の方からのご相談)父の遺産の中に抵当権の設定された不動産がある。この抵当権は父名義の住宅ローンを担保するために設定されたものであるが、今後遺産分割調停や遺産分割審判になった場合、当該不動産については、住宅ローンの残額相当額を減額して評価されるか?

抵当権の設定された不動産について、被担保債務を不動産の評価額から控除できるかどうかについて、確定的な見解はありません。
ただし、原則として債務は遺産分割の対象となりませんので、遺産分割審判においては、被担保債務の主債務者が被相続人であっても、共同相続人全員の合意その他特段の事情のない限り、抵当権の負担のある不動産の評価において被担保債務の額を控除することはしないと考えられます。

 遺産分割調停においては、対象不動産を取得する相続人が被担保債務を引き受ける約束をして、被担保債務相当額を対象不動産の評価額から控除する扱いがされることもあります。

 本件においても、遺産分割調停において、父親名義の不動産を取得する相続人が今後住宅ローンを支払っていくことを約束した上で、住宅ローンの残額相当額を控除して不動産の評価をすることは可能です。

 これに対し、遺産分割調停が成立せず、遺産分割審判に移行した場合は、共同相続人全員の合意等特段の事情がない限り、父親名義の不動産について、住宅ローンの残額相当額を減額して評価されることはないでしょう。
 

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら