相談事例24:母が亡くなり、子である自分(弟) と兄が相続人となった。その後、母の所有していた不動産を兄に遺贈するという内容の遺言書が見つかったが、その不動産を自分が取得したい。遺言とは異なる内容で遺産分割を行うことは可能か?

相談事例24:母が亡くなり、子である自分(弟) と兄が相続人となった。その後、母の所有していた不動産を兄に遺贈するという内容の遺言書が見つかったが、その不動産を自分が取得したい。遺言とは異なる内容で遺産分割を行うことは可能か?(箕面市在住の方)

 ①相続人全員が遺言の存在を知り、その内容も正しく認識したうえで、遺言の内容と異なる遺産分割協議を行うことは可能です。

この場合、共同相続人全員は、遺言の内容にかかわらず、遺産分割協議の内容に拘束されますので、それが遺言内容と異なることを理由に後で協議の内容を争うことはできません。
②特定の財産を遺贈するという内容の遺言の存在を知らずに遺産分割協議が行われた場合、既に受遺者に帰属している財産について遺産分割協議を行ったことになります。
この場合、各相続人が自己に帰属する権利関係を知らないまま遺産分割による処分を行っているので、そもそも処分の客体を誤認しており、遺産分割協議のうち遺贈がされた財産に関する部分は原則として錯誤(民法95条)により無効となると考えられます。
また、遺言が遺産分割協議に与える影響が大きいような場合には、遺産分割協議の全体が錯誤により無効となる可能性もあります。
本件では、相続人である兄弟それぞれが遺言の存在と内容を正しく認識したうえで、遺産不動産を弟に取得させるという遺産分割協議を行うことができるのであれば、弟が当該不動産を取得することは可能です。

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大阪千里法律事務所 寺尾 浩(てらお ひろし)
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大阪千里法律事務所、代表弁護士の寺尾浩と申します。当事務所では、豊中市・吹田市・箕面市を中心に、多くの相続問題を多く取り扱っております。依頼者の想いを十分にお聞きし、その想いを実現するために徹底した調査を行い、 専門的知識・経験豊富な弁護士が、依頼者の想いが最も反映された解決案を提示し、 その実現のために、全力を尽くします。 |当事務所の弁護士紹介はこちら